骨盤内に進展した臀部表皮囊腫に対して腹腔鏡アプローチを併用し経仙骨的に切除した1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Epidermal Cyst Extending into the Pelvic Cavity Treated with Laparoscopic Transabdominal and Transsacral Surgery

抄録

<p>症例は34歳の女性で,臀部の腫脹を主訴に当科を紹介受診した.身体所見では臀部に弾性軟の皮下腫瘤を認め,画像検査では臀部皮下から骨盤腔内につながるだるま型の6 cm大の囊胞性腫瘍を認めた.診断的治療の目的に経仙骨アプローチを併用し,腹腔鏡下に腫瘍切除術を行った.腫瘍は臀部皮下から尾骨周囲で肛門挙筋の間隙から直腸間膜の背側および骨盤腔内に連続していた.病理組織診の結果,表皮囊腫と診断した.特に合併症なく術後8日目に退院となり,以降は再発を認めていない.表皮囊腫は日常診療の中で経験する頻度の高い良性疾患で,粉瘤とも呼ばれる.まれではあるが悪性化の報告もあるため,遺残のない切除が推奨される場合もある.臀部から仙骨前面にまで進展した表皮囊腫に対して腹腔鏡アプローチ併用経仙骨的切除は,合併症なく施行でき有用な手術アプローチと考えられた.</p>

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参考文献 (17)*注記

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