術前診断困難であったpagetoid spreadを伴う肛門管腺癌の1例

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タイトル別名
  • A Resected Case of Anal Canal Adenocarcinoma with Pagetoid Spread that Could not be Diagnosed Preoperatively
  • ジュツゼン シンダン コンナン デ アッタ pagetoid spread オ トモナウ コウモンカンセンガン ノ 1レイ

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抄録

<p>症例は76歳,男性.2019年3月に血便の精査加療目的に当院へ紹介となった.下部消化管内視鏡検査にて歯状線からHerrmann線にかけて1型の腫瘍を認め,生検で腺癌の診断であった.腫瘍以外で肛門周囲の皮膚あるいは粘膜に明らかな病変は認めなかった.肛門管腺癌 cT2N0M0 cStage Iの診断で,2019年5月に腹腔鏡下腹会陰式直腸切断術を施行した.病理診断はpagetoid spread(以下,PSと省略)を伴った肛門管腺癌であり,進行度はpT2N0M0 pStage Iであった.PSは腫瘍より肛門側の皮膚に認められ,PSからのdistal marginは1.3mmであった.術後は経過観察の方針とし,術後3年6カ月現在,無再発生存中である.</p><p>本症例は術前に肉眼的に皮膚病変が同定できず,結果的に十分な断端距離が確保できなかったにもかかわらず,追加切除を行うことなく長期に局所再発を認めずに経過している稀な症例であり,文献的考察を含めて報告する.</p>

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参考文献 (25)*注記

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