十二指腸乳頭炎による画像変化が診断の契機となった十二指腸乳頭部平坦状上皮内癌の1例

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  • A case of flat intraepithelial carcinoma of the ampulla of Vater, in which imaging changes reflecting associated chronic duodenal papillitis provided a diagnostic opportunity

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抄録

<p>症例は70歳,男性.胃癌術後経過観察目的の腹部単純CTで胆管拡張を指摘された.造影CTでは十二指腸乳頭(AV)の腫瘤像,上流胆管の拡張と壁肥厚を認めた.胆管腔内超音波検査では乳頭部胆管(Ab)から遠位胆管(Bd)に連続して全周性の壁肥厚を認めた.AbからBd末端部のブラッシング細胞診にてclass Vがえられたことから乳頭部癌の遠位胆管内進展の診断で,膵頭十二指腸切除術を施行した.術後病理では,乳頭部平坦状上皮内癌(FIC)と診断され,Bdおよび主膵管起始部に上皮内進展を認めた.また,乳頭部導管の粘膜固有層は炎症細胞浸潤,付属腺過形成および平滑筋増生により肥厚していた.FICは腫瘤を形成しないため無症状で画像による直接的な指摘も困難であり,浸潤癌を伴わない純粋な状態で発見されることは稀とされる.本例は随伴した慢性乳頭炎による画像変化が診断契機となった.</p>

収録刊行物

  • 胆道

    胆道 37 (5), 904-911, 2023-12-31

    一般社団法人 日本胆道学会

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