都市洪水後の下痢症発症と水利用の関連について―2020年ジャカルタ洪水を事例に―

DOI
  • 多嶋 花帆
    東京大学大学院 新領域創成科学研究科 国際協力学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Relationships between Water Use and Diarrhea Outbreak after Urban Flooding -A Case Study of the 2020 Flood in Jakarta, Indonesia-

抄録

<p>近年、ジャカルタでは都市洪水被害が甚大化しており、それに伴う下痢症被害の増加が懸念されている。洪水時の下痢症における飲料水の重要性について一般的に認識されてはいるものの、ジャカルタにおいて十分なインフラ供給はなされてきておらず、人々が各々の予算制約とリスク判断にもとづいて多様な飲料水源を選択する状況を生んでいる。そこで、本研究は、2020年1月洪水を対象に、水利用形態と下痢症との関連を明らかにすることを目的とした。はじめに衛星画像を用いて浸水域を特定した後、浸水域における実際の水利用状況についてアンケート調査を実施し、飲用および利用水源と下痢症との関連について分析を行った。その結果、水道契約と避難の有無が洪水後の下痢症感染に関連していることが示された。要因として、洪水後における水道水質の悪化、水道契約世帯の社会的状況、避難行動、避難所の衛生状態の悪さが考えられるため、今後先行研究の検討及び追加調査を実施し検証する必要がある。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390861618045861504
  • DOI
    10.11520/jshwr.36.0_188
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ