新型コロナウイルス感染症流行下における 高齢者のつながりの課題と対策に関する検討

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タイトル別名
  • Impacts and Interventions for Elderly Social Relationships During the COVID-19 Pandemic
  • シンガタ コロナウイルス カンセンショウ リュウコウ カ ニ オケル コウレイシャ ノ ツナガリ ノ カダイ ト タイサク ニ カンスル ケントウ

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抄録

コロナ禍による自粛生活の長期化により,高齢者は社会とのつながりが弱まり,サルコペニアを中心にフレイ ル化が認められている。本研究は,そのような問題を背景に,福祉専門職が捉えたコロナ禍におけるつながり の脆弱化により生じた高齢者および運営スタッフの課題と解決策の検討を目的とする。調査は,X 市の生活支 援コーディネーターと地域福祉専門員を対象に半構造化面接を行い,KJ 法を用いて分析した。その結果,高 齢者だけではなく,運営スタッフも心身や生活にダメージを受けていたことが示された。運営スタッフは,活 動の停滞や,地域社会からの批判を恐れ,意欲を減退していることが明らかになった。地域では,潜在的な社 会的孤立が深刻化する状況であった。さらに,入院の面会ができない高齢者がみられ,被害の複雑化が懸念さ れた。その一方で,地域では活動自粛を経て,交流の重要性を再認識する見解がみられた。以上から,疾病予 防や生活機能維持の対策も重要であるが,孤立する高齢者が社会参加できる場の構築が重要課題として見いだ された。

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