市販加熱式たばこ使用時に取り込まれるニコチン体内動態の調査:ランダム化並行群間比較試験

DOI

Abstract

<p>【目的】近年、電子たばこや加熱式たばこは世界的に普及してきており、それぞれ、たばこ葉を使用してない、たばこ葉を燃焼させないという特徴があることから、これら製品への切り替えによる喫煙に伴う健康へのリスク低減可能性について、関心が高まりつつある。本臨床試験を含め、紙巻たばこからこれら製品への切り替えにより、体内に取り込まれる健康への影響が懸念される物質(健康懸念物質)量の低減を示す結果が多く報告されている。また、これら製品から発生するベイパー中の代表成分であるニコチンについても、製品使用時における体内動態が、評価項目として広く調査されている。本試験では、紙巻たばこ喫煙者が5日間、加熱式たばこに使用製品を切り替えた時の健康懸念物質の曝露量を評価するとともに、その後、その加熱式たばこを1本使用した際のニコチンの体内動態について調査した。</p><p>【方法】試験参加の文書同意が得られた21歳以上65歳未満の健康な成人喫煙者90名のうち、メンソールタイプ以外の紙巻たばこ製品を日常的に喫煙している喫煙者60名を、2種の加熱式たばこ(製品A レギュラータイプ、製品B レギュラータイプ)のいずれかの使用へ切り替え、日常的に喫煙している紙巻たばこの喫煙継続、または禁煙の4群に、15名ずつ割り付けた。また、メンソールタイプの紙巻たばこ製品を日常的に喫煙している喫煙者30名を、製品A メンソールタイプ、または日常的に喫煙しているメンソールタイプ紙巻たばこの喫煙継続の2群に15名ずつ割り付けた。被験者は、5日間に渡り、割り付けられたたばこ製品を使用または禁煙し、その間に採尿・呼気測定を行い、15種の健康懸念物質の曝露量を調査した。6日目、禁煙群を除く75名を対象に、割り付けられたたばこ製品を1本使用した際のニコチン体内動態を調査した。なお、当該試験の曝露量調査結果は昨年発表済みにつき、本演題ではニコチンの体内動態調査結果について発表する。</p><p>【結果・考察】加熱式たばこ使用時の血漿中ニコチン濃度について、紙巻たばこ喫煙時と同様の推移を示し、算出された体内動態パラメータ(Cmax、AUC、Tmax)についても、加熱式たばこと紙巻たばこ間に顕著な違いは認められなかった。</p><p>【結論】本試験結果より、紙巻たばこ喫煙時と比較して、加熱式たばこ使用時のニコチンの体内動態が同程度であることが示された。</p>

Journal

Details 詳細情報について

Report a problem

Back to top