クリニカル・クラークシップでのポリファーマシーに関する症例シナリオを活用した医療面接実習の取り組み

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抄録

<p>大分大学医学部臨床薬理学講座/附属病院臨床薬理センターでは、6年間の医学教育の中で、1年次に早期体験実習、2年次に臨床薬理学1(総論)、 4年次には臨床薬理学2(各論)、Evidence-based Medicine (EBM) 実習、医療面接実習、臨床実習前 Objective Structured Clinical Examination (以下OSCE)、5年次から6年次はクリニカル・クラークシップ(以下CC)及び6年次の臨床実習後OSCEに、他講座及び外部講師と連携しながら関わっている。このうちCCでは、令和2年度より医療面接を重視した問題解決型の教育プログラムを行い、医療面接実習では、複数の症例シナリオを使用している。ここに、令和5年度から、ポリファーマシーに関する症例シナリオを導入し、学生のポリファーマシーについての認識及び医療面接の教育効果の検証を行いながら、本医療面接実習の有用性を探索的に検討している。</p><p> 医学教育モデル・コア・カリキュラムは令和4年度11月に改訂され、医学・歯学・薬学教育の3領域で統一したキャッチフレーズとして、「未来の社会や地域を見据え、多様な場や人をつなぎ活躍できる医療人の養成」が採用された。今回の改訂では、超高齢社会での多疾患併存患者の増加などによる、医療の在り方の変化等を踏まえ、医療人として求められる基本的な資質・能力に、「総合的に患者・生活者をみる姿勢(Generalism: GE)」が新しく追加された。GEの学修目標には「ポリファーマシーとその介入方法の概要を理解している」ことが明記され、多剤併用の問題への取り組みは、卒前医学教育の段階から重要な位置付けになっている。</p><p> 今回は、そのような医学教育の動向を踏まえつつ、現在当講座/センターが関わっている医学教育を概観し、特にCCの概要とポリファーマシーの症例シナリオを活用した医療面接実習の取り組みを報告する。医学教育を通じてポリファーマシー/不適切多剤併用の問題を解決する可能性について、シンポジストの方々やフロアの方々と考えていきたい。</p><p> 本発表の一部はJSPS科研費JP22K13729の助成を受けたものである。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390861692692834944
  • DOI
    10.50993/jsptsuppl.44.0_2-c-s21-2
  • ISSN
    24365580
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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