医薬品開発における統計プログラマー育成のための人材開発マトリックス作成

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抄録

<p>【目的】医薬品開発に携わる統計プログラマー(以下、統計プログラマー)の役割が変化している。変化の要因としては、「国際共同試験の基本的考え方(2007)」発出に基づく国際共同臨床試験の増加に伴う日常業務や体制のグローバル化と、本邦における電子データ提出の義務化(2016)に伴うCDISCデータ/臨床薬理関連の業務の増加、AI技術等の発展による業務効率化・自動化等が挙げられる。求められるスキルや経験が変化している中、この分野における人材開発に関する研究はまだ十分ではなく、人材開発を担う管理職が苦慮している。そこで本発表では、近年の動向も踏まえ、統計プログラマーの人材開発プログラムを構築する方法について提案する。【方法】ケンブリッジ大学が作成したBehavioural Attributes Framework(2017)における人材開発(People Development)に関する記述を参考に、人材開発を担う管理職が達成すべきレベルを設定する。また、関連スキルや経験を(1)Hard(またはTechnical)、(2)Soft、(3)Acquired、(4)Given Talentの4つに分類し、人材開発マトリックスを作成する。その人材開発マトリックスを用いて、各スキルや経験の優先順位を設定し、人材開発計画を立案する。【結果・考察】異なる会社に属する統計プログラマーの人材開発に関わる管理職、および、アカデミアにおいて教育を担うメンバーにて検討班を構成し、提案する方法にて人材開発マトリックスを試作した。その結果、関係するスキルや経験を整理し優先順位をつけることでそれらを可視化し人材開発の方策に留意が必要なスキルも抽出することができた。人材開発に関わるメンバー(例えば、人材教育を担う現場のリーダーと人事部の教育担当者)間での認識をそろえる際にも有用であることが示唆された。またキャリア人材の採用や、組織改編等による部門としての専門性・責任範囲の明確化にも活用できることが期待できる。【結論】医薬品開発に関する規制変更に伴う、統計プログラマーに求められるスキルや経験を人材開発マトリックスで整理することにより、優先順位付けや可視化が可能となり、人材開発計画立案をサポートすることが期待できる。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390861692693008896
  • DOI
    10.50993/jsptsuppl.44.0_3-c-p-d2
  • ISSN
    24365580
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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