15年間吹付コンクリートに接した軽石凝灰岩のアルカリ影響

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タイトル別名
  • Effect of alkaline conditions in rocks contacted with shotcrete for 15 years

抄録

<p> 放射性廃棄物処分施設では,セメント系材料由来のアルカリ環境でベントナイトが変質することが懸念されている.本研究では,アルカリ環境における二次生成物の沈殿反応を理解するためのインダストリアルアナログ研究として,吹付コンクリートと軽石凝灰岩に関する約15年間の相互作用を調べた.その結果,吹付コンクリートと接する数 mmもしくは数 cmの範囲の岩盤では,火山ガラス等の非晶質な初期物質の溶解に伴い,Ca/Si比が0.7程度,もしくはそれよりCaやAlに若干富む非晶質なC-(A-)S-Hが生成していることがわかった.岩石の間隙水のアルカリ影響領域は少なくとも界面から9 cmに及ぶものの,間隙率や透水性は界面から数 mm以深では変化していなかった.このようなアルカリ影響領域は,地下水や溶存イオンの移流・拡散を含む複合的な要因によって決まっていることが推察された.本研究や既往の知見より,ベントナイト系材料のアルカリ変質反応ではC-(A-)S-Hからトバモライト等への変遷を想定することが必要なものの,本調査地のような低温条件であれば,その変遷は少なくとも十数年以降に生じると示唆された.</p>

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参考文献 (18)*注記

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