診療拒否に関する裁判例の分析

  • 棚瀬 慎治
    弁護士法人棚瀬法律事務所 順天堂大学大学院医学研究科病院管理学
  • 内藤 俊夫
    順天堂大学大学院医学研究科総合診療科学
  • 小林 弘幸
    順天堂大学大学院医学研究科病院管理学

書誌事項

タイトル別名
  • シンリョウ キョヒ ニ カンスル サイバンレイ ノ ブンセキ

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抄録

医療者の診療拒否の是非が争われた裁判例 55 件の分析を行ったところ,応招義務違反など医療者の行為の違法性が認められた裁判例は 9 件にとどまった。平成 17 年 10 月以降においては,診療拒否の是非が争われた全ての裁判例において医療者の行為の違法性が否定されていた。患者側の迷惑行為を原因として診療拒否がな された類型については,過去全ての裁判例において医療機関側の主張が認められており,そもそも患者の主張するような診療拒否自体が存在しないと認定する裁判例もみられた。患者側の迷惑行為などで診察治療を実施す ることが困難な事案においては,診療の提供を行わないという選択肢もあり得ることが示唆された。

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