深層学習を用いたCT自動解析による大動脈弁計測

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抄録

<p>【背景・目的】高齢化社会において大動脈弁狭窄症に対する低侵襲な経カテーテル的大動脈弁置換術が普及しているが、人工弁サイズの選択および安全な手技を実施する上で、術前に心電図同期CT検査による詳細な評価が重要である。一方で、大動脈弁閉鎖不全症に対する弁形成術を行う際にもCTによる客観的評価は手術プランを立てる上で有用と考えられる。我々はキャノンメディカルシステムズ社製Vitrea®を基盤とした、深層学習を用いた完全自動化CT画像セグメンテーションおよび測定アルゴリズムを開発し、その精度を検証した。</p><p>【方法】20例の大動脈弁狭窄症(AS)および20例の大動脈基部拡張を伴う大動脈弁閉鎖不全症(AR)のCTデータを自動解析・計測し、3名の手動測定結果の平均値と比較し相関係数(r)を求めた。</p><p>【結果】全症例で3D-CT再構築像により大動脈弁石灰化の分布および基部の不均等拡張を視覚化できた。AS、AR症例各々の大動脈弁測定値の相関は大動脈弁輪面積(r=0.98、0.94)、バルサルバ洞径(r=0.98、0.94)、冠動脈高(右r=0.97、0.99 左r=0.89、0.95)、弁尖geometric height(r=0.85、0.76)、弁尖effective height(r=0.69、0.72)と、手動計測値のばらつきと比べ高い相関が得られた。測定時間は手動計測で平均618~1126秒に対して自動計測は122秒と大幅に短縮した。</p><p>【結語】心電図同期CT画像を用いた大動脈弁自動解析の精度は手動計測と遜色なかった。短時間で高精度な評価を可能とし、大動脈弁治療プランのチーム内共有および治療の標準化に貢献が期待される。</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual61 (Abstract), 117_2-117_2, 2023

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390861770520607104
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual61.117_2
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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