単電極心電図の可能性の検討

DOI

抄録

<p>心電図計測には通常3つ以上の電極が用いられる。標準肢誘導では、体の基準となる電極を元に、心臓の信号源を挟んだ特定の2か所における基準電極からの電位を取得し、その電位差を差動増幅するようになっている。大振幅の交流ハム雑音中の微弱な心電図をCMRRの大きなインスツルメンテーションアンプにて増幅することで、ハム雑音を除去し、心電図を増幅可能にしている。しかし、電極を2か所以上必要とするこのような計測法が、様々な応用計測をするときの障害となることもある。著者等はこの障害を取り除くべく、単電極で心電図を計測する方法は無いかと考え、様々な検討を行ったところ、電極から増幅器までの間で適切な信号処理を行うことで心電図QRS波(R波)をとらえることができた。さらに心電図テレメータ出力との同時計測にてR波であることを確認した。しかし、p波、T波の計測はできていない。従って、心拍数や心拍変動などの計測評価には使用可能であり、脈波等による心拍数計測よりも正確な計測評価となる。この手法は非常に繊細で微弱な信号が様々な誘導雑音にさらされるため、静かな条件でしか計測できない。しかし、これが可能となることで、バイタルの確認など、その条件に合った様々な応用は可能と考えられる。</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual61 (Abstract), 178_1-178_1, 2023

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390861770520657280
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual61.178_1
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ