スマートフォンアプリTDPT-GTによる病的歩容の定量評価

DOI
  • 山田 茂樹
    名古屋市立大学 脳神経外科学講座 東京大学 生産技術研究所 洛和会音羽病院・正常圧水頭症センター
  • 青柳 幸彦
    株式会社デジタル・スタンダード
  • 小林 吉之
    産業技術総合研究所・人間拡張研究センター・運動機能拡張研究チーム
  • 伊関 千書
    山形大学医学部・内科学第三講座・神経学分野
  • 近藤 敏行
    山形大学医学部・内科学第三講座・神経学分野
  • 上田 茂雄
    信愛会脊椎脊髄センター
  • 寳子丸 稔
    信愛会脊椎脊髄センター
  • 石川 正恒
    洛和会音羽病院・正常圧水頭症センター 洛和ヴィライリオス
  • 太田 康之
    山形大学医学部・内科学第三講座・神経学分野
  • 間瀬 光人
    名古屋市立大学 脳神経外科学講座

抄録

<p>【背景・目的】病的歩容の評価・判定には、明確な基準や指標が存在せず、評価者によって評価が異なりやすい。そこで、我々が開発したiPhoneアプリThree-Dimensional Pose Tracker for Gait Test (TDPT-GT)を用いて、病的歩容の定量評価を試みた。【方法】TDPT-GTは、モーションキャプチャー用マーカーを使用せずに全身の特徴点の3次元座標をAIで推定する。健常者とiNPH患者に直径1mの円を2周歩いてもらい、TDPT-GTによる頭から足先までの全身24点の3次元相対座標を自動推定した。この3次元相対座標から、被検者本人の体軸に対する矢状断面、冠状断面、軸位断面へ投影した2次元相対座標と、その座標の動作軌跡(75%信頼楕円)に基づいた関節可動域角度や軌跡の中心間距離を計算した。対象は、iNPH患者48名の238歩行データと山形県高畠町コホート研究に参加する60歳から93歳の健常者92名の184歩行データとした。【結果】TDPT-GTで計測した矢状断と軸位断投影座標を用いて、すり足、小刻み、開脚歩行を検出する指標を網羅的に探索した。すり足の指標として、矢状断投影座標における股関節可動角度の左右平均が30度未満、膝関節可動角度が45度未満、踵の垂直方向振幅の左右平均が足の長さの10%未満が候補となった。小刻み歩行では矢状断投影座標における股関節可動角度と踵の垂直方向振幅は有用ではなかったが、膝関節可動角度が45度未満は有用な指標であった。開脚歩行の指標としては、軸位断投影座標におけるつま先の開き角度ではなく、股関節可動範囲中心に対する踵可動範囲中心の外側偏移度が足の長さの8%以上が有用な指標であった。【結論】TDPT-GTアプリを用いて、病的歩容の定量的評価が可能となった。</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual61 (Abstract), 211_1-211_1, 2023

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390861770520693376
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual61.211_1
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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