脈波を用いた人間関係の可視化手法の提案

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抄録

<p>近年,キャンプ活動の人気が高まっている.キャンプ活動の効果と意義において,コミュニケーション能力や人間関係の向上が挙げられる.従来から、人間関係は主観データを利用して評価されている.しかし,微妙な変化や全体を俯瞰した関係を表現することができず,客観的な評価手法が必要となる.ここで,共感している相手と活動量や心拍が同期するという心理学分野の研究に着目し,本研究では脈拍数の時系列変化の相関を被験者間で比較することにより人の感情変化や,集団活動における人と人の感情の同期関係を明らかにすることを提案した.身体活動と精神活動の総合的な結果が脈波同期に表出,その波形の類似度を時系列トレンドでみることで人間関係を計る指標になるか確認する.実験方法は10名の大学生にFitbitを装着させ,脈波を連続的に計測しながら決められたキャンプ活動をグループで行った.そして,評価用に活動中の人間関係の主観的なアンケートに答えてもらった.計測した脈拍の解析方法は,まず個人差を相殺し変動のみ抽出するために正規化の前処理を行った.そして処理後データを行動区間ごとに分けて,全対象者同士の組み合わせで相関係数を算出した.その相関係数をパラメータとした自己組織化マップを作成することにより,同期度合いを可視的に評価した.解析結果として,アンケートによる他者とのこころの近さと脈波による可視化マップは類似した傾向がみられた.</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual61 (Abstract), 259_2-259_2, 2023

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390861770520756224
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual61.259_2
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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