機能性閉鎖不全症を模擬した僧帽弁モデルの開発と新たに開発している生体膜性人工弁の流体力学的特性評価

DOI
  • 岡本 裕成
    早稲田大学大学院 創造理工学研究科 総合機械工学専攻
  • 森村 隼人
    早稲田大学大学院 先進理工学研究科 共同先端生命医科学専攻
  • 高田 淳平
    早稲田大学 創造理工学部 総合機械工学科
  • 峰田 紫帆
    早稲田大学大学院 先進理工学研究科 生命理工学専攻
  • 尾嶋 浩太
    早稲田大学大学院 創造理工学研究科 総合機械工学専攻
  • 田端 実
    順天堂大学医学部附属順天堂医院 心臓血管外科
  • 岩崎 清隆
    早稲田大学大学院 創造理工学研究科 総合機械工学専攻 早稲田大学大学院 先進理工学研究科 共同先端生命医科学専攻 早稲田大学 創造理工学部 総合機械工学科 早稲田大学大学院 先進理工学研究科 生命理工学専攻

抄録

<p>本研究では機能性僧帽弁閉鎖不全症(FMR: Functional Mitral Regurgitation)に対して既存デバイスの欠点を補うことができる低侵襲的に治療可能なカテーテル弁形成デバイスの研究開発を推進している。本デバイスは生体膜性人工弁を経カテーテル的に留置する新たな治療デバイスである。本発表では開発中である生体膜性人工弁の治療効果を評価できる非臨床試験系を構築して、実際に治療効果を評価することを目的とした。弁形成デバイスの治療効果を評価するためには病変状態を再現する必要があるが、動物を用いた病変モデル作製は困難であることから、現状で本デバイスの治療効果を評価できる試験系は確立していない。そこで本研究ではこれまでにない動物弁由来疾患モデルを用いた工学的評価系を構築した。弁疾患モデルは動物摘出僧帽弁輪組織の構成線維であるコラーゲン繊維を分解させながら、拡張用ダイレータを段階的に挿入していくことにより弁輪形状を拡大させてFMRの特徴の1つである弁輪拡大を模擬した弁疾患モデルを作製した。作製した弁疾患モデルを生体内流量・圧力環境を模擬する拍動循環回路に組み込み、弁前後血行動態を計測した。弁疾患モデルは中等度の逆流(逆流率: 47.9%)を有していたが、生体膜性人工弁を取り付けることにより軽度の逆流(逆流率: 28.7%)まで低減した。本試験では生体膜性人工弁の有用性を明らかにした。今後この人工弁を心房・心室内に固定する方法やデリバリーシステムの考案を進めていく。</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual61 (Abstract), 271_2-271_2, 2023

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390861770520758912
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual61.271_2
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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