アドヒアランス向上を目的としたロボット服薬支援システムの基礎的検討

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抄録

<p> 現在,日本は高齢化が進行しており,医師から処方された薬の飲み忘れや飲み残しが社会的な問題となっている.その原因として,患者が積極的に治療方針の決定に参加し,その決定に従って治療を受けることを意味する服薬アドヒアランスの低下が挙げられる.本研究では,患者の行動変容ステージや生体情報をモニターし,患者の意欲に直結する励ましを通知するロボットによる服薬支援システムを開発している.ロボット服薬支援システムの実現により,患者自身の服薬意欲を向上させることで残薬費用問題が解決され,ロボットの介入により医療従事者の負担が軽減されると考える. 開発の初期段階として,励ましの言葉の受け取り方に関する知見を参考に「中立指示」「叱咤激励」「寄り添い」の3種を設定し,それぞれに相当する通知セリフを考案した.ヴイストン株式会社製のコミュニケーションロボットSotaを用いて,考案したセリフを表情発話で通知するシステムを試作し,心理実験と生体計測を実施する.具体的には,「中立指示」「叱咤激励」「寄り添い」の励ましによる聴き手の心理作用を評価する.加えて,励ましと聴き手の生理反応の関係を明らかにするため,セリフ発話時における聴き手の生体信号を計測する.生体信号は,心電図,前頭前野の血流変化,鼻部皮膚温度変化の3種とした.発表では,実験結果を報告し,ロボットによる服薬支援システムの実現可能性について議論する.</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual61 (Abstract), 280_2-280_2, 2023

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390861770520769792
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual61.280_2
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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