脳・認知活動のレジリエンス向上を導く医工学的制御技術の創生

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抄録

<p> 医療技術の進歩により、平均寿命を延伸することは一定の筋順で達成できている。しかしながら治療の結果もたらされる生体機能の低下、副作用などにより慢性疼痛や種々の合併症など生活の質(QOL)の低下を伴うという現実も存在する。また急速なIT技術の進歩により、ヒトの認知処理能力を超える情報ストレスが新たな精神疾患を産む危険性も指摘されている。</p><p> この課題に対し、生体が本来備える回復機能—レジリエンス―を高めるために、生体に対する刺激とその生物学的効果の定量化、適正なモデル化に基づく介入制御手法、生体の応答の客観的評価を支援する技術の開発が急務である。特に脳・認知活動のレジリエンス向上のためのターゲット技術は、ニューロフィードバック・バイオフィードバック、ストレス検知、情動検出、ニューロエンハンスメント、脳刺激、バイオセンサ、ドラッグデリバリー、XR、モバイル医療などであり、これらを実現するためには、モバイル型脳・生体機能計測デバイス、体内埋め込み型医療デバイス、遠隔モニタリング技術のさらなる開発と、これら技術を医療福祉に照らして適正に活用するための多施設臨床研究・フィールドテストが必要となる。</p><p> 以上を実現するために、日本生体医工学会および関連学会によるコンソーシアムを形成し、指定課題・公募課題による研究の推進、および生命倫理教育、臨床研究支援、教育機能の共有・拡充を図ることを提案する。</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual61 (Abstract), 82_2-82_2, 2023

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390861770520852736
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual61.82_2
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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