『古今著聞集』の一説話「天狗詠歌事」の背景 : 久安という年と天狗

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  • ココン チョモンジュウ ノ イチセツワ テング エイカ ジ ノ ハイケイ キュウアン ト イウ トシ ト テング

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『古今著聞集』巻十七の一説話に天狗が法勝寺の塔上で歌を詠む話がある。この話は『台記』久安四年五月二十日にも記されている。本論では、久安という時期に着目し、説話成立の背景を考察した。久安年間は度々、彗星が出現しており、それを禳うことをめぐって、院と藤原摂関家が水面下で対峙した時期である。彗星を禳う数々の修法と頼長の日記にそれは示されている。本説話は、両名の関係を象徴する話として成立したものと思われる。

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