浜松市の対策型大腸がん検診における便潜血定量化の経験
書誌事項
- タイトル別名
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- Experience in changing fecal occult blood test from qualitative method to quantitative method for controlled colorectal cancer screening in Hamamatsu City
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抄録
<p>浜松市における対策型大腸がん検診において, 検診事業を受託している浜松市医師会は, 2019年, 大腸がん検診委員会を発足させ精度管理を始めた。その一環として, 2015~2020年のデータの解析と検診実施施設, 便潜血検査受注検査会社への調査を行った。その結果, 要精検率7.4~8.3%, 精密検査受診率53~63%で, いずれも許容値に達していないことが分かった。また, 要精検率は施設によるばらつきが大きく, その主たる要因は, 便潜血のカットオフ値が, 50~150ng/mLと統一されていないことにあると考えられた。そこで, 大腸がん検診票の便潜血検査結果の記載を従来の定性から定量値に変更し, カットオフ値を130ng/mLに統一し, 2022年4月から運用を開始した。1年間実施した結果, 要精検率が6.0%となり, 初めて許容値の7.0%を下回ったことが明らかとなり, 一定の成果が確認できた。新しい検診票では, 要精検となった場合に大腸内視鏡検査を受ける意思を確認する欄を設け, 受診者にチェックを求めるようにするなど, 精密検査受診率向上のため方策も含まれており, 今後の適切な大腸がん検診の運用が期待される。</p>
収録刊行物
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- 日本消化器がん検診学会雑誌
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日本消化器がん検診学会雑誌 62 (1), 9-19, 2024
一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390861770527834368
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- ISSN
- 21851190
- 18807666
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可