矯正医療の視点からみた発達障害者の現状と課題

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  • キョウセイ イリョウ ノ シテン カラ ミタ ハッタツ ショウガイシャ ノ ゲンジョウ ト カダイ

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抄録

2012 年度に施行された文部科学省の調査によれば,一般児童の 6.5%に発達障害の可能性が疑われ,注意欠如多動症(ADHD)は 5%前後に存在する事が報告されている。発達障害の有病率は高く,病院総合臨床医は日常的に発達障害者に遭遇している可能性がある。我々は矯正施設において処遇上薬物療法を必要とした重度のADHD患者の臨床像や社会的課題につき検討した。矯正施設の被収容者の中には未治療,未発見の発達障害者が多数存在し,薬物療法が必要な事例も少なからず存在しており公的支援制度が皆無であった昭和期から現在まで専門的治療やカウンセリング,生活期のリハビリテーションを通じて社会復帰が達成されてきた。一般社会においても発達障害者の能力や適性に応じた年齢制限の無い職業訓練制度と包括的な生涯支援制度の確立が求められている。

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