感染性大動脈炎により死亡した糖尿病を有する回腸代用膀胱の一例

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  • INFECTIOUS AORTITIS-RELATED MORTALITY AFTER ILEAL NEOBLADDER SUBSTITUTION IN A PATIENT WITH DIABETES MELLITUS

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抄録

<p>5年前に膀胱癌に対し膀胱全摘・回腸代用膀胱造設した78才男性.既往は糖尿病.2年前のCTでは右水腎・拡張した代用膀胱・高度の動脈硬化が大動脈に見られた.2022年5月上旬から発熱あり,近医内科を受診し尿路感染症として,5月7日他院内科に入院した.尿培養で大腸菌が検出されたがほぼ全ての抗生剤に感受性があった.CTで,両側水腎症および拡張した代用膀胱,尿路にガスを認めた.抗生剤を4種類使用したが解熱せず,3週後のCTで大動脈周囲リンパ節腫大が出現したため,膀胱癌の再発も疑われ,6月6日当院転院となった.同日のCTで大動脈周囲にガスを伴う軟部組織の肥厚があり,また動脈壁石灰化の断裂も見られ進行した感染性大動脈炎と考えられた.水腎症は軽減していたが代用膀胱の拡張を認めた.また管理不十分の糖尿病があった.抗生剤の変更・尿道カテーテル留置によるドレナージ・血糖コントロールの強化を開始した.翌日にはほぼ解熱.しかし,入院2日目に意識低下と腹部膨満が出現.CTで後腹膜右側に血種を認めた.徐脈・呼吸停止となり,人工呼吸器管理・輸血等を行い,一時的に軽快したがその2日後死亡した.代用膀胱で慢性尿閉により尿路感染を来し,管理不十分な糖尿病により悪化し,元来高度な動脈硬化もあり感染性大動脈炎を発症.大動脈から後腹膜に出血し死亡した.</p>

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