内視鏡的逆光性膵胆管造影に関する裁判所の解析

DOI
  • 梶谷 篤
    順天賞大学大学院 医学研究科病院管理学 梶谷綜合法律事務所
  • 岩井 完
    順天賞大学大学院 医学研究科病院管理学 岩井法律事務所
  • 内藤 俊夫
    順天堂大学大学院 医学研究科総合診療科学
  • 小林 弘幸
    順天賞大学大学院 医学研究科病院管理学 順天堂大学大学院 医学研究科総合診療科学

抄録

内視鏡的逆行性膵胆管造影(endosc叩ic retrograde cholangiopancreatography : ERCP ) およびこれに関連する手技・偶発症等が主要な争点として主張された裁判例 14 件につき判決内容を検証した。 急性膵炎が発症した事例 9 件のうち,膵炎発症自体や予防措置に関する医師の過失が主な争点となった事例では,5 件全件で過失が否定された。 膵炎発症後の対応における過失が主な争点となった事例では,5 件中 4 件で過失が認定された。ERCP実施にかかる訴訟事例では,膵炎発症後の対応が争点となった場合,過失が認定されるケースが多く,医療側としては,術後の経過措置,対応に十分に注意し,紛争に備え,記録を詳細にとり証拠化しておくことが望ましい。 説明義務が争点となった事例では, 6 件中 5 件で説明義務違反が否定された。 ERCP実施に伴うインフォームド・コンセントでの説明内容としては,基本的には偶発症発症及び重症化の可能性があることを説明すれば足りるが,偶発症が発症しやすい特段の事情がある場合には,当該事情まで説明することが必要である。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390861847637357184
  • DOI
    10.60227/jhgmwabun.10.2_21
  • ISSN
    27587878
    21858136
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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