谷底低地のS波速度構造と地盤震動特性:武蔵野台地を刻む神田川および古川沿いの低地を例に

書誌事項

タイトル別名
  • S-wave velocity structures and ground motion characteristics beneath valley bottom lowlands: A case study from the lowlands along the Kanda and Furukawa rivers incising the Musashino Upland, Tokyo, central Japan

抄録

東京都区部の武蔵野台地を刻む神田川(善福寺川)および古川(渋谷川)沿いにおいて常時微動観測を実施した.下流部の谷底低地では軟弱な沖積層が厚く,平均S波速度は低い値を示した.H/V スペクトルのピークが低周波数帯域(1.5~1.6 Hz 付近)にみられた地域は,1923年関東地震で被害が著しかった地域にほぼ一致した.一方で中・上流部では,谷底低地よりも,むしろその周辺の関東ローム層や東京層の軟らかい泥層が分布する台地のほうが軟らかい地盤特性を示した.つまり下流部と中・上流部で,台地と低地の地盤特性の相対的関係は逆転する.

収録刊行物

  • 地質学雑誌

    地質学雑誌 130 (1), 17-33, 2024-01-24

    一般社団法人 日本地質学会

参考文献 (26)*注記

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