“重症感”と全身状態

  • 佐仲 雅樹
    城西国際大学 薬学部臨床医学教室 東邦大学医療センター大森病院 総合診療・救急医学講座
  • 佐々木 陽典
    東邦大学医療センター大森病院 総合診療・救急医学講座
  • 瓜田 純久
    東邦大学医療センター大森病院 総合診療・救急医学講座
  • 中西 員茂
    東邦大学医療センター大森病院 総合診療・救急医学講座
  • 中嶋 均
    東邦大学医療センター大森病院 総合診療・救急医学講座

書誌事項

タイトル別名
  • "ジュウショウカン"ト ゼンシン ジョウタイ

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抄録

全身状態と重症感は診療方針を左右する指標であるが,これらの意味するところは漠然としており,現状では医師間の「暗黙の了解」にとどまる。 本稿では,全身状態と重症感に関する客観的考察を行っている。 全身状態とはホメオスタシス安定度であり,全身状態の把握とは,ホメオスタシスの不安定化に伴う自律神経系/免疫系生理反応を全身性の症候(自覚症状,身体徴候)やバイタルサインとして捉えたものである。 また,重症感とは全身状態が悪化しつつある「前兆」を無意識のうちに察知したものであり,その根拠は軽微な自律神経系/免疫系生理反応として特徴付けられる。 しかし,重症感にはそれだけでは説明できない漠然とした患者の全体像の変化がある。 この変化には炎症が関与しており,サイトカインが高次脳機能に及ばす影響によって,表情,行動,言動が変化し,その結果として患者の「雰囲気」が変化したものと考えられる。

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