0.1 kGy以下のガンマ線照射によりDNA中に生成する5,6-dihydrothymidineの高感度定量法の開発

  • 藤原 拓也
    地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所 衛生化学部 大阪公立大学 放射線研究センター
  • 福井 直樹
    地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所 衛生化学部
  • 古田 雅一
    大阪公立大学 放射線研究センター
  • 高取 聡
    地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所 衛生化学部

書誌事項

タイトル別名
  • Development of a Sensitive Method for the Determination of 5,6-Dihydrothymidine Formed by Gamma Irradiation of DNA below 0.1 kGy

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抄録

<p>相対的に低線量(0.1 kGy以下)のガンマ線照射によりDNA中に生成される5,6-ジヒドロチミジン(DHdThd)の高感度定量法を開発した。我々は、食品のDNA中に生成される放射線照射生成物であるDHdThdを測定することにより、食品の照射履歴を判別する方法について報告している。本手法は、(1)食品からのDNA抽出、(2)DNAのヌクレオシドへの酵素分解、(3)高速液体クロマトグラフ付タンデム型質量分析計(LC-MS/MS)によるDHdThdの測定の3つの手順から成る。この方法を用いて、殺菌を目的とした比較的高線量(≥0.5 kGy)の照射履歴を動物性食品および植物性食品の双方において検出することが可能である。一方、検疫処理や発芽抑制を目的として照射された比較的低線量(<0.5 kGy)の食品を検出するには、線量の低下に伴いDHdThdの生成量が少なくなるためより高い感度を要する。そこで、多量のDNAを分解し、固相抽出カラムを用いた精製および濃縮の過程を追加することにより、DHdThdの感度を約30倍とすることに成功した。開発した方法を用いて、ガンマ線60–150 Gyを照射したチミジンおよびsalmon sperm DNA水溶液からDHdThdを線量依存的に検出した。この方法は、相対的低線量のガンマ線が照射された食品を検知する方法になり得ると考えられる。</p>

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参考文献 (14)*注記

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