COVID-19に合併した奇異性脳塞栓症にアルテプラーゼ静注療法と卵円孔閉鎖術を行った1例

  • 植村 順一
    川崎医科大学総合医療センター脳卒中科 川崎医科大学脳卒中医学
  • 山下 眞史
    川崎医科大学総合医療センター脳卒中科 川崎医科大学脳卒中医学
  • 八木田 佳樹
    川崎医科大学脳卒中医学
  • 井上 剛
    川崎医科大学総合医療センター脳卒中科 川崎医科大学脳卒中医学

書誌事項

タイトル別名
  • Case of paradoxical cerebral embolism after COVID-19 treated using rt-PA and PFO closure

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抄録

<p>54歳,女性.COVID-19発症9日後に突然,喚語困難と右手の脱力が現れた.頭部MRIで左中大脳動脈領域に急性期脳梗塞巣,MRAで左中大脳動脈M1–M2移行部の描出が不良だった.rt-PA療法を施行.投与開始直後に喚語困難と右片麻痺は改善し,1時間後の頭部MRAでは左中大脳動脈は再開通していた.経頭蓋超音波検査では右左シャント陽性,下肢静脈エコー検査では左ヒラメ静脈に器質化した等輝度血栓があり,隔離解除後に施行した経食道心エコー検査ではGrade IIIの卵円孔開存,心房中隔瘤を認めた.奇異性脳塞栓症と診断,アピキサバン内服を開始し,卵円孔閉鎖術を施行した.現在まで再発なく,良好な転帰である.COVID-19に奇異性脳塞栓症を発症した報告は少なく,発症機序と治療について考察し,報告する.</p>

収録刊行物

  • 脳卒中

    脳卒中 46 (1), 35-41, 2024

    一般社団法人 日本脳卒中学会

参考文献 (18)*注記

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