COVID-19罹患後における肺機能検査指標の経時的変化と低下に関連する因子の検討

DOI
  • 濱野 葵
    神戸市立医療センター中央市民病院臨床検査技術部
  • 鳥居 裕太
    神戸市立医療センター中央市民病院臨床検査技術部
  • 宮川 祥治
    神戸市立医療センター中央市民病院臨床検査技術部
  • 菅沼 直生子
    神戸市立医療センター中央市民病院臨床検査技術部
  • 川井 順一
    神戸市立医療センター中央市民病院臨床検査技術部

書誌事項

タイトル別名
  • Investigation of changes in lung function test parameters following coronavirus disease (COVID-19) infection and associated factors

抄録

<p>2019年以降世界的大流行をもたらしている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は呼吸器系に多大な影響を及ぼし,特に拘束性換気障害および肺拡散能低下をきたすと報告されている。しかし,本邦における肺機能検査指標の検討についての報告はない。本研究の目的はCOVID-19罹患後における肺機能検査指標の経時的変化および低下に関連する因子について検討することである。対象はCOVID-19と診断され,入院加療後に肺機能検査を施行した患者50例である。対象患者は退院後3か月,6か月,9~12か月後に肺機能検査を実施した。患者背景では,低下群においてCOVID-19の重症度が有意に高く,入院日数が長く,後遺症症状が多かった。肺機能検査指標では,低下群で退院後9~12か月後の%全肺気量(%TLC)は改善を認めるものの,正常群と比較して実測値の低下を認め,肺の線維化や炎症の残存が示唆された。また,退院後3か月の肺機能検査指標を用いて検討した結果,12か月後の肺機能指標の低下に最も関連する因子は%肺拡散能(%DLCO)であったが,その実測値は経時的な改善に乏しく,長期にわたる肺機能障害への関与が示唆された。今回の検討で低下群では持続する拘束性換気障害および肺拡散能の低下を認めた。また,退院後3か月の%DLCOはCOVID-19罹患12か月後の肺機能検査指標の低下に関連する因子である。</p>

収録刊行物

  • 医学検査

    医学検査 73 (1), 1-8, 2024-01-25

    一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390861869684398336
  • DOI
    10.14932/jamt.23-39
  • ISSN
    21885346
    09158669
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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