早期治療が奏効した心臓悪性リンパ腫の2例
書誌事項
- タイトル別名
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- Adequately Treated Two Cases of Cardiac Malignant Lymphoma
抄録
<p> 心臓悪性リンパ腫は稀な疾患であり,その診断過程は症例ごとに異なるが,早期の組織診断による適切な化学療法が予後を決める.準緊急外科治療を行った心臓原発悪性リンパ腫症例,低侵襲検査で早期組織診断を行った心臓が主病変の悪性リンパ腫症例の2例を経験した.</p><p> 症例1は65歳男性.呼吸困難を認め前医入院した.心臓超音波検査にて右房内を占拠する巨大腫瘤性病変を認め当院へ転院となった.CT検査にて腫瘍は上大静脈から右房を占拠し,右室にまで進展していた.上大静脈症候群を合併しており,準緊急外科治療を行い,右房内腫瘤摘出術を施行した.術中組織より,びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の診断となった.術後経過は良好で,早期の化学療法を開始し,外来通院中で経過良好である.</p><p> 症例2は80歳女性.下腿浮腫と徐脈のため紹介受診.完全房室ブロックを認めた.心嚢内で上行大動脈と肺動脈の間に進展する腫瘤を認め,連続的に心房中隔に広がっていた.縦隔や腹部大動脈傍リンパ節の腫大も認めた.確定診断のため傍気管リンパ節より超音波気管支鏡ガイド下針生検(EBUS-TBNA)と迅速細胞診(ROSE)を施行し,class・,悪性リンパ腫の所見を得た.最終病理診断はDLBCLで,化学療法1コース終了時に心内腫瘤は縮小を認め,房室伝導も1度房室ブロック伝導に改善した.</p><p> 治療が奏効した稀な心臓悪性リンパ腫を経験したため報告する.</p>
収録刊行物
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- 心臓
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心臓 55 (1), 63-70, 2023-01-15
公益財団法人 日本心臓財団
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390861925378616576
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- ISSN
- 21863016
- 05864488
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可