医原性早発卵巣不全の不妊女性3例に対するエストロゲン療法の治療経験
書誌事項
- タイトル別名
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- Estrogen therapy for iatrogenic premature ovarian insufficiency-induced infertility: a case series
抄録
早発卵巣不全(premature ovarian insufficiency;POI)は40歳未満の女性において4カ月以上 の無月経および血中FSH(follicle stimulating hormone)値が25 IU/Lを超える病態である.頻度は約 1.1%で原因は多岐にわたり,医原性,感染,酵素欠損,染色体異常,遺伝子変異,自己免疫疾患など がある.低エストラジオール血症と高ゴナドトロピン血症の状態となり,不妊症,骨密度低下,心血 管障害,抑うつなどを生じることがある.臨床の現場では不妊治療に苦慮することは多い.エストロ ゲン補充は血中LH(luteinizing hormone)値とFSH値を低下させて,卵胞の成熟および排卵を促進す ることが報告されている.当センターにおけるエストロゲン療法での卵胞発育率,妊娠率を明らかに することを目的とし,3症例,36周期について検討した.POIの原因は医原性(卵巣子宮内膜症性囊胞 摘出術後2例,乳癌化学療法後1例)であった.結合型エストロゲン製剤(製品名:プレマリン錠0.625 mg)を使用し,経腟超音波断層法検査によって胞状卵胞を認めた場合はゴナドトロピン製剤(製品 名:HMG注射用「フェリング」)300 IU/日を投与して卵巣刺激を行った.卵胞発育まで至ったのは卵 巣子宮内膜症性囊胞摘出術後1例,乳癌化学療法後1例,これら2例の7周期であり,タイミング療法1周 期,人工授精5周期,採卵1周期を実施した.採卵では1個の成熟卵子を得たが体外受精後に分割胚で発 育停止となり,凍結に至らなかった.36周期における卵胞発育率は19.4%であった.妊娠成立例はい なかったが早期に治療を開始すれば卵胞発育は得られやすかった.POIの症例においては積極的に生殖補助医療を勧めてもいいかもしれない.〔産婦の進歩76(1):32―37,2024(令和6年2月)〕
収録刊行物
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- 産婦人科の進歩
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産婦人科の進歩 76 (1), 32-37, 2024-02-01
近畿産科婦人科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390861925378822656
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- ISSN
- 13476742
- 03708446
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可