キュバンジエステル類の簡便な合成法およびクロスカップリング反応の開発
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- 的場 博亮
- 九州大学大学院薬学研究院
説明
sp3炭素の医薬品候補化合物への導入は,水溶性や薬物動態の改善が期待できる.キュバン骨格はベンゼン環との幾何学的類似性が高く,オルト,メタ,パラ,全ての二置換ベンゼン環構造を模倣可能である.また,骨格の高い歪みにより,そのC-H結合は代謝安定性に優れている.以上より,キュバン骨格はベンゼン環の理想的な生物学的等価体である.しかし,創薬科学におけるキュバン骨格の利用は,一置換ベンゼンまたはパラ二置換ベンゼンに対応するものに限られている.これは,二置換キュバンの合成が未だ困難な課題であることに起因する.Wiesenfeldtらは,種々の二置換キュバンに対する新規合成法を報告したので本稿にて紹介する.<br>なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.<br>1) Subbaiah M. A. M., Meanwell N. A., J. Med. Chem., 64, 14046-14128(2021).<br>2) Wiesenfeldt M. P. et al., Nature, 618, 513-518(2023).<br>3) Casser L. et al., J. Am. Chem. Soc., 92, 6366(1970).<br>4) Le C. et al., Science, 360, 1010-1014(2018).
収録刊行物
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- ファルマシア
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ファルマシア 60 (2), 148-148, 2024
公益社団法人 日本薬学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390861947165057152
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- ISSN
- 21897026
- 00148601
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可