原発不明がんに対するリキッドバイオプシーによるメチル化解析

書誌事項

タイトル別名
  • Methylation Analysis of Cancer of Unknown Primary Using Liquid Biopsy Approaches

抄録

<p>原発不明がん症例に対して採血(リキッドバイオプシー)によるctDNA解析を行い,原発部位の特定が可能であるか検討した。リキッドバイオプシーは治療前に,ctDNA抽出用採血管で1本あたり8.5 mlずつ計2本行った。ctDNAをバイサルファイト処理しテンプレートとして使用したメチル化-ctDNA解析で,頸部リンパ節腫大病変のp16免疫染色が陽性であった症例に,3遺伝子(CALML5DNAJC5JLY6D)すべてにメチル化を認めた。これらの結果から,原発不明がんにおける原発部腫瘍の探索に,リキッドバイオプシーによるメチル化解析を用いることで,治療前に原発部を予測することも可能であると考えられた。リキッドバイオプシーは全身の腫瘍由来のDNA全体を対象とするため空間的不均一性の影響を受けにくく,時間的不均一性を考慮した解析も可能である。現段階では,リキッドバイオプシーにおける課題は多くあるが,臨床研究を活性化するキーファクターになることは言うまでもなく,医師の役割を含めた医療システムに変化をあたえるツールになると期待される。</p>

収録刊行物

参考文献 (8)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ