抄録
沖縄島の東海岸沿いのサンゴ礁のリーフ上に直径数メートル高さ数メートルの岩塊が点在している.特に,久高島東海岸及び米須海岸に数多く存在する.これらの岩塊は,台風などの高波によってリーフ先端沖のサンゴ礁斜面から発生し,高波によってリーフ上を岸向きに移動させられたものと考えられてきた.そのため,これらの岩塊は“台風石”とも呼ばれている.本論は,これらリーフ上の巨大な岩塊が,台風によって発生したものではなく,1945年の沖縄戦の艦砲射撃による砲弾の炸裂によってサンゴ礁が破壊されて発生したものであることを見出している.巨大な岩塊は,サンゴ礁上のみではなく,汀線背後の海岸断崖付近にも数多く存在している.サンゴ礁のリーフ上には弾痕を示す直径数十メートルにも達するクレーター状の穴も数多く見られる.著者らは,これらの岩塊及びリーフ上の弾痕をそれぞれ“沖縄戦の石”及び“沖縄戦の弾痕”と命名している.
収録刊行物
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- 沖縄科学防災環境学会論文集 (Coastal Eng.)
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沖縄科学防災環境学会論文集 (Coastal Eng.) 9 (1), 1-7, 2024
沖縄科学防災環境学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390862080002396160
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- HANDLE
- 20.500.12000/0002020156
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可