近赤外線選別法によるアフラトキシン汚染アーモンドロットにおけるアフラトキシンの減衰

書誌事項

タイトル別名
  • Reduction of aflatoxins by near-infrared spectrometric sorting in the aflatoxin-contaminated almond lots

抄録

<p> アーモンドは栄養価が高く菓子原料として需要が高まっている.アーモンド業界においてはAspergillus flavusを含めたアフラトキシン(AF)産生菌の汚染による製品の損失が大きな問題となっている.アーモンドにおけるAF汚染は業界においてヒトへの大きな健康障害の問題となっており,また,世界的な経済損失をともなっている.われわれは近赤外線を用いた分光選別が高度に汚染された落花生ロットでもAF-汚染粒を含む劣化粒を除去することにより効果的にAF濃度を下げることができることを前報で報告した.本報告においては汚染アーモンドにおいて近赤外線選別によりAF濃度を低下させることに応用した.劣化粒における800/1100 nmの透過率比がAF汚染粒を含む劣化粒の除去の信号として応用できた.その透過率比はAFを直接的に検出しているのではないが,落花生の選別の場合と類似して,侵入カビによる消化によって生じたと見られる内部変色が認められた.このNIR分光選別は総AFが117.0 μg/kgのアーモンドロットを不検出のレベルまで減衰させることができた.低濃度レベルAFを含む計12サブサンプル(総量約550 kg)についてこの分光選別試験を行ったが,いずれの通過品においてもAFは不検出であった.このNIR分光は,健康被害と経済的なロスを軽減し,アーモンド業界におけるAF汚染ロットの有効利用とリコンディショニングを促進し,また,SDGsに貢献することができる.</p>

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参考文献 (13)*注記

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