胃粘膜下病変に対する超音波内視鏡下穿刺吸引生検の基本とコツ

DOI
  • 橋本 陽
    福島県立医科大学附属病院 内視鏡診療部 福島県立医科大学医学部 消化器内科学講座
  • 引地 拓人
    福島県立医科大学附属病院 内視鏡診療部
  • 中村 純
    福島県立医科大学附属病院 内視鏡診療部 福島県立医科大学医学部 消化器内科学講座

書誌事項

タイトル別名
  • ESSENTIALS AND TIPS FOR EUS-FNA FOR GASTRIC SUBEPITHELIAL LESION

抄録

<p>胃粘膜下病変(subepithelial lesion:SEL)から病理検体を得る手段としてEUS-FNAが普及している.胃SELのEUS-FNAは,gastrointestinal stromal tumor(GIST)などの間葉系腫瘍が主たる穿刺対象であるため,免疫染色を行うための充分量の検体が必要である.しかし,胃SELのEUS-FNAは,穿刺時に胃壁と共に病変が逃げてしまうことや病変自体が硬く穿刺が困難であるなどの要因で,検体採取が難しい場合がある.したがって,手技の工夫が重要であり,door-knocking methodやfanning techniqueといった基本的穿刺法のほか,スロープル法やwet suction法という新たな吸引法が注目されている.しかし,これらの方法でも胃SELから充分量の検体を採取することは難しいことが課題であった.そこに登場した革命は,FNB(fine-needle biopsy)針と直視コンベックス型EUSスコープである.FNB針は,FNA針の先端の形状を工夫することで量と質のよい検体の採取に貢献できるようになり,近年では20mm未満のSELにおいても,良質な検体採取が報告されている.また,直視コンベックス型EUSスコープは,病変に近接することが容易であるため,これまで検体採取に難渋していた胃体部大彎の病変においても有用性が報告されている.なお,rapid on-site cytological evaluation(ROSE)の併用は,評価可能な検体が採取されているかの判断に有用であるが,FNB針を用いた場合にはROSEを行わなくても充分量の検体が採取できるとの報告もある.今後も機器や手技を工夫することで,胃SELにおけるEUS-FNAの診断能が向上することが期待される.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390862157392025856
  • DOI
    10.11280/gee.66.181
  • ISSN
    18845738
    03871207
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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