組織球症に続発する中枢神経障害:改善が期待できる中枢神経変性症

書誌事項

タイトル別名
  • Central nervous system disorders secondary to histiocytoses: neurodegeneration with potential for improvement

抄録

<p>組織球症(histiocytosis,以下HCと略記)は単球系細胞が様々な臓器に集簇し傷害する炎症性骨髄腫瘍で,ランゲルハンス細胞組織球症(Langerhans cell histiocytosis,以下LCHと略記)やエルドハイム-チェスター病(Erdheim–Chester disease,以下ECDと略記)が含まれ,BRAFV600Eを代表とする分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ(mitogen-activated protein kinase,以下MAPKと略記)経路の活性化遺伝子変異を認める.LCH例の数%は,診断後数年以上経過し初期症状が消失した時期に,左右対称性の小脳病変や脳萎縮が現れ小脳失調や高次脳機能障害が生じる.ECDにも同様の中枢神経変性症(neurodegeneration,以下NDと略記)がある.近年,MAPK阻害剤によりこれらが改善することが報告された.この中枢神経障害を原因不明のNDやHC例から早期に見出しMAPK阻害剤により治療すれば,改善が期待できる.</p>

収録刊行物

参考文献 (55)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ