書誌事項
- タイトル別名
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- A case of Alice in Wonderland syndrome after Epstein–Barr virus (EBV) encephalitis: a mimicry of focal epileptic seizure
抄録
<p>症例は30歳男性.クローン病に対してインフリキシマブで治療中にけいれん重積発作を生じ,Epstein–Barrウイルス脳炎の診断で加療され,症状改善後左同名性下四分盲が残存した.脳炎の9ヶ月後から,自身の手や物が大きくまたは小さく見える,動いているものが速くあるいは遅く見える,コマ送りで見える,視界に霧がかかって見えにくいという視覚症状,身体浮遊感が出現し,その後も約10年間にわたり主に疲労時に出現した.各種検査により脳炎の再発や焦点てんかんは否定され,脳炎による遅発性の後遺症として,後頭葉,頭頂葉,側頭葉における皮質機能障害により,不思議の国のアリス症候群を示したと考えられた.</p>
収録刊行物
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- 臨床神経学
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臨床神経学 64 (2), 99-104, 2024
日本神経学会