慢性疾患患者の印象操作技法の発達段階

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書誌事項

タイトル別名
  • Developmental stages of impression manipulation techniques by patients with chronic illness
  • Rheumatoid arthritis patients' stigma passing, confession, and the presentation of self
  • 関節リウマチ患者のスティグマのパッシングと告白、そして、演じ分け

抄録

<p> 本稿の目的は、E. Goffmanのスティグマの可視性と不可視性をめぐる理論を参考に、「みえないスティグマ」をもつ女性関節リウマチ患者の印象操作を中心としたアイデンティティ管理のプロセスを明らかにするものである。 近年、慢性疾患患者を「生活者」として位置づけ、より患者が主体的に自己管理できるための支援が注目されている。直ちに障害が可視的ではない慢性疾患患者が日々のなかで経験するスティグマを捉えようとするとき、Goffmanがいうように、スティグマとは「明らかに属性ではなく関係を表現する言葉」(Goffman 1963a. 訳一六頁)であるならば、疾患による分類ではなく、疾患による生活上の困難が他者との相互行為に与える影響をスティグマの「発生帯」としてみていかなければならない。 本稿では、生活者として生きる慢性疾患患者が、社会参加と療養上の自己管理を両立する状況において、アイデンティティをどのように管理していくのか、すなわち、「みえないスティグマ」をもつひとのモラル・キャリアを慢性疾患患者の「発達段階」として解釈する。それらを通して、あらためて、病いとともにある生活者を社会のなかでどうとらえていくのかを考える機会としたい。</p>

収録刊行物

  • 社会学研究

    社会学研究 107 (0), 73-100, 2022-12-26

    東北社会学研究会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390862268783836544
  • DOI
    10.50980/shakaigakukenkyu.107.0_73
  • ISSN
    24365688
    05597099
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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