悪性腸腰筋症候群を呈した乳癌の1例

  • 後藤 麻佑
    東邦大学医療センター大森病院乳腺・内分泌外科
  • 齊藤 芙美
    東邦大学医療センター大森病院乳腺・内分泌外科
  • 緒方 秀昭
    東邦大学医療センター大森病院乳腺・内分泌外科

書誌事項

タイトル別名
  • Breast Cancer Patient with Malignant Psoas Syndrome
  • アクセイ チョウ ヨウキン ショウコウグン オ テイシタ ニュウガン ノ 1レイ

この論文をさがす

説明

<p>悪性腸腰筋症候群(malignant psoas syndrome: MPS)は腸腰筋への悪性腫瘍の浸潤により第1~4腰神経領域の疼痛を特徴とする,同側股関節の伸展時痛を呈する症候群である.症例は76歳,女性.左乳癌術後再発に対して化学療法中であったが,右下肢痛のため通院困難となり,再発治療開始後4年6カ月に精査加療目的で入院となった.MPSによる右下肢痛に対して,NSAIDs,アセトアミノフェン,オピオイド,鎮痛補助薬,放射線治療を開始し,症状改善傾向であった.しかし,入院中に癒着性イレウスで緊急手術を施行,廃用と乳癌多発転移の進行により,訪問診療を導入し自宅退院,退院25日後に自宅で死亡した.MPSの報告は少なく,その原因は医療従事者の間で認知度が低い可能性が指摘されている.MPSは腹部臓器の癌患者で頻度が高いが,今回われわれは悪性腸腰筋症候群を呈した乳癌の1例を経験したので報告する.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ