W・P・ウッダードのKokutai Cult論に関する考察

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書誌事項

タイトル別名
  • A Study of W. P. Woodard's Kokutai Cult Theory

抄録

<p>米国人宗教学者W・P・ウッダードについては、その主著The Allied Occupation of Japan 1945-1952 and Japanese Religionsへの注目もあり、日本占領期および講和後に関する業績にほぼ関心が集中してきた。</p><p>一方で本稿は、彼が、神道指令の標的「国体カルト」が両大戦間期後半に出現した、と論じていることに注目する。そして主著の草稿の一部である、阿部美哉訳の日本語論考に含まれる、知日派外交官への共感、国体カルト出現に介在したという極端論者の例、そのカルトの告発者に当たる人々の動向、などを検討する。</p><p>その結果、ウッダードが自らの滞日経験に即し、天皇・神道と軍国主義の間の楔として導きだしたのが、国体カルトの禁止という文脈であったと理解される。一方でその成立は、総力戦体制による社会変化の時期にも対応する。向後さらなる資料調査により、この見方を補強しつつ、その意味するところを考察していきたい。</p>

収録刊行物

  • 宗教研究

    宗教研究 97 (2), 175-199, 2023-09-08

    日本宗教学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390862268805672960
  • DOI
    10.20716/rsjars.97.2_175
  • ISSN
    21883858
    03873293
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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