契丹語の音調

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タイトル別名
  • Pitch Realization in Khitan

抄録

<p>本稿では,10–12世紀に中国東北方で話された,モンゴル諸語と系統関係を有する契丹語の語音調がどのように実現したかを,当時当地で使用された遼代漢語との対音資料を用いて実証的に明らかにする。予備的作業として,先行研究の発見にかかる,契丹小字文献中の漢語語彙に見られる特殊表記を批判的に検討して定量的に再分析し,そこから遼代漢語の声調体系に関する重大な帰結が導けることを論じる。その帰結を前提として,遼代漢字文献中の契丹語音訳語彙に使用される音訳漢字を音写語内の位置別に定量的に分析し,位置による顕著な声調の選好が存在することを明らかにする。さらにこの選好を遼代漢語の時間的変異性に着目して現代モンゴル諸語の音調も参考に解釈することで,契丹語が語の始端境界と終端境界をL音調とH音調とでそれぞれ標示する言語であったことを明らかにする。</p>

収録刊行物

  • 言語研究

    言語研究 165 (0), 85-110, 2024

    日本言語学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390862268821009920
  • DOI
    10.11435/gengo.165.0_85
  • ISSN
    21856710
    00243914
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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