《研究ノート》笑いの三項共立モデルの提案

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タイトル別名
  • 「笑う-笑わせる-笑われる」試論

抄録

笑いとユーモアを科学するための理論構築に向けて、「笑いの三項共立モデル」を提示することを試みた。三項共立モデルでは、「笑い」を「笑う-笑わせる-笑われる」すなわち「現象項-誘引項-対象項」から成立するものとする。各項には2種類の質の異なる項が含まれており、「笑うLS/LSH」「笑わせるα/β」「笑われるn/N」の組み合わせにより、人間の多様な笑いを記述できる。本モデルで提示する三項が共立した「笑い」が、(a)現象的共起性、(b)発達的連関性、(c)言語的機能性、という3つの特徴を満たす場合、自発的微笑は三項が共立関係にない笑いとして、社会的微笑(社会的笑い)から区別できるかもしれない。さらに、本モデルは、笑いに限らず、あらゆる対象物に心を想定して関わろうとする人間の傾性を明らかにするモデルとなる可能性が示唆される。  三項共立モデルが笑いの理論構築を目指すモデルとして適切か否かは、今後、「笑い」と「非笑い」を想定して本モデルを前提とした研究を重ねていくことで証明されるだろう。

収録刊行物

  • 笑い学研究

    笑い学研究 30 (0), 93-108, 2023-08-26

    日本笑い学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390862312559988480
  • DOI
    10.18991/warai.30.0_93
  • ISSN
    24239054
    21894132
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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