Philadelphia染色体陽性急性リンパ芽球性白血病寛解導入療法後に調節卵巣刺激で発症した卵巣過剰刺激症候群

書誌事項

タイトル別名
  • Ovarian hyperstimulation syndrome with controlled ovarian stimulation after induction therapy for Philadelphia chromosome-positive acute lymphoblastic leukemia

抄録

<p>症例は27歳女性。Philadelphia染色体陽性急性リンパ芽球性白血病(Ph+ALL)に対しdasatinib(dasa)とprednisoloneによる寛解導入療法を開始。診断時より強い妊孕性温存希望があり,卵子凍結保存を計画した。Progestinにて月経を抑制,血球回復後に調節卵巣刺激を行い,十分量の卵子を採卵した。卵巣刺激症候群(OHSS)の予防としてcabergolineとletrozoleを投与するも,採卵2日後に卵巣腫大と腹水が出現し,中等症OHSSと診断した。循環管理と低分子heparin投与を行ったが胸水も出現したためdasaを休薬した。月経再開後に体液貯留傾向は改善,その後はdasa併用下で地固め療法と臍帯血移植が可能だった。チロシンキナーゼ阻害薬によりPh+ALL診断早期に卵子保存を計画しやすくなる期待があるが,OHSS合併のリスクにも留意が必要である。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 65 (2), 69-73, 2024

    一般社団法人 日本血液学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390862334389846400
  • DOI
    10.11406/rinketsu.65.69
  • ISSN
    18820824
    04851439
  • PubMed
    38448000
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • PubMed
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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