機械学習によるhERGチャネル阻害におけるpIC<sub>50</sub>予測モデルの開発

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タイトル別名
  • Development of pIC<sub>50</sub> prediction models for hERG channel inhibition by machine learning algorithms

抄録

<p>創薬分野において,心毒性リスクを回避することは最も重要な課題の1つとなっている.hERGの低分子化合物による遮断は,再分極抑制によるQT間隔延長を誘発し,torsade de pointes (TdP) などの致死的不整脈や重篤心不全など心毒性を引き起こす可能性がある.現在,医薬品承認申請の際に,全ての医薬品候補化合物に対しhERG阻害の検証が要求されている.これに伴い,多くの研究機関において,in silico アッセイによるhERG阻害予測モデルの開発が報告されている.しかしながら,先行研究の多くは,hERG阻害の有無を予測する分類モデルであり,この予測結果では阻害の強弱に関する情報は得られない. 本研究では,低分子化合物の公共データベースから得られた,約15700個の化合物データセットを用い,定量モデルとして,pIC50予測モデルの構築を行った.説明変数には,各低分子化合物より生成した分子記述子を用いた.AutoMLを用いて計19の機械学習アルゴリズムの中から最適なアルゴリズムを探索した.その結果,Extra Trees Regressor(ET)が最適アルゴリズムとして選択された.ETモデルのテストデータにおける予測精度はR2が約0.69を示した.さらに,予測したpIC50を可視化し,実際のpIC50と比較検討を実施した.また,pIC50<5を非阻害化合物,pIC50≧5を阻害化合物とした場合,その判別予測精度は約0.85であった. ETモデルにおけるpIC50予測に大きく寄与する項目は,SHAP値より,n-オクタノール/水分配係数やN塩基性基数などが挙げられた.本モデルは,医薬品候補化合物に対するhERGチャネルへの影響を検証するためのスクリーニング方法の一つとして期待される.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390862345538024192
  • DOI
    10.14869/toxpt.50.1.0_p1-110s
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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