血液分析装置用動物対応ソフトウェア XN-Vを用いたラットにおける細菌感染急性期の評価
書誌事項
- タイトル別名
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- Evaluation of acute period bacterial infecton by XN-V software of automated hematology analyzer for animal in rats
抄録
<p>【目的・背景】細菌感染症の治療では薬剤耐性菌発生防止のために適切な抗菌薬選択が重要である。グラム染色や培養検査が起炎菌を同定するために行われているが, 臨床の現場では迅速かつ簡便な検査法が求められている。そこで血液分析装置用動物対応ソフトウェアXN-V(シスメックス社製)の結果から、起炎菌の判別が可能か評価した。【方法】グラム陽性/陰性菌の一般的な細菌としてStaphylococcus aureus(Sa)とEscherichia coli(Ec)を選択し、1.0×10 9 cfu/mLに調整した菌液をラット(Slc:SD、9週齢)に腹腔内投与を行い、投与後1日、3日、6日の経時変化を血液学的検査(XN-V測定、塗抹標本観察)および病理組織学的検査により評価した。【結果】Day1においてSaではリンパ球数がDay0より40%以上減少する一方、Ecは平均して10%未満の減少であった。さらにXN-VのWDFchスキャッタグラムにおいてSaはEcよりも高蛍光領域の好中球が認められ、その比率もEcよりも高かった。塗沫標本での形態評価においてもSaでは幼弱な好中球が多く観察されたが、Ecでは分葉核好中球が優位であった。病理組織学的検査では脾臓を中心に主に単核球浸潤による炎症反応が認められ、EcよりもSaの方が重症度が高かった。 これらの反応はSa,Ecともに経時的に減弱し、6日目にはほぼ投与前の状態まで回復していた。【考察】細菌感染の急性期において同数の細菌数を投与した場合でもSaとEoでの反応差異が認められ、これらはXN-Vでも検出できることが判明した。今後、感染ステージや菌種による反応を体系化することで、XN-Vの測定結果による起炎菌推定の可能性が示唆された。</p>
収録刊行物
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- 日本毒性学会学術年会
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日本毒性学会学術年会 50.1 (0), P3-233-, 2023
日本毒性学会