Camptothecin耐性株に対するBerberineの分子メカニズム

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Molecular Mechanisms of Berberine Against Camptothecin-Resistant Strains

抄録

<p>現在、種々の悪性腫瘍に対し植物成分由来の抗悪性腫瘍薬が広く用いられている。婦人科悪性腫瘍においては第一選択薬に抵抗性の腫瘍や再発腫瘍にはcamptothecin類(irinotecan, topotecan)が選択されることが多い。CamptothecinはDNAの超らせんを除去する働きをする酵素DNA topoisomerase Iを阻害して、細胞死を引き起こすことにより抗腫瘍効果を示す。しかし、camptothecinに耐性を持つ悪性腫瘍も存在する。今回、camptothecin耐性の悪性腫瘍に効力を発揮しうる生薬由来の黄連(Coptis Rhizome)に含まれるberberineという成分に着目した。我々の先行研究で生薬由来抽出物よりパルスフィールド電気泳動法を用いてDNA二重鎖切断を誘導する生薬成分を複数個同定している(Kawashima et al. Genes to Cells, 2017)。BerberineはDNA topoisomerase Ⅱを阻害することが報告されている。この研究においてcamptothecin耐性の腫瘍細胞に対するberberineの抗腫瘍効果の分子mechanismを解明することを目的とした。Camptothecin耐性変異をもつacute lymphoblastic leukemia 細胞の2株を使用した。Berberine、coptisine、 berberrubineによる細胞死を評価するためMTT assayを行った。Berberineにおいて、camptothecin耐性株の細胞死がDNA二重鎖切断活性を介して誘導されていることが示唆された。他の類似構造化合物であるcoptisine等においては明らかな細胞死は誘導されなかった。Camptothecin耐性の悪性腫瘍に対し、berberineは有効である可能性が示唆された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390862345538191104
  • DOI
    10.14869/toxpt.50.1.0_p3-240
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ