尿管結石検出のための低線量CT 撮影条件が面内線量分布及び組織吸収線量に与える影響について

DOI
  • 西郡 健太
    金沢医科大学病院 医療技術部 診療放射線技術部門
  • 長田 弘二
    金沢医科大学病院 医療技術部 診療放射線技術部門
  • 松原 孝祐
    金沢大学 医薬保健研究域 保健学系
  • 佐藤 穂波
    金沢医科大学病院 医療技術部 診療放射線技術部門
  • 庵 緋沙子
    金沢医科大学病院 医療技術部 診療放射線技術部門
  • 福知 千佳
    金沢医科大学病院 医療技術部 診療放射線技術部門

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of Low Dose CT Imaging Methods on the Dose Distribution and Tissue Absorbed Dose for Ureteral Stones Detection.

抄録

<p>重要な要点</p><p>・尿管結石検出のための低線量CT 検査でTin filter を付加すると120 kV ,80 kV 撮影と比較して線量分布は均一化される.</p><p>・尿管結石検出のための低線量CT では皮膚,膀胱,直腸吸収線量は120 kV ,80 kV 撮影と比較してTin filter を付加した撮影で低減される.</p><br><p>要旨</p><p>【目的】本研究は,尿管結石検出のための腹部領域における低線量CT の撮影方法の違いが,面内線量分布及び組織の吸収線量に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした.</p><p>【方法】CT 装置はSIEMENS 社製SOMATOM Force を用いた.Single energy(以下,SE)撮影として管電圧120 kV ,80 kV ,Sn100 kV ,Dual energy(以下,DE)撮影として100/Sn150 kV の計4 種類を用いて比較検討を行った.撮影線量は,30 cm 水ファントムでの画像SD 値が各条件で20,23,25 HU 近傍になるように設定を行った.蛍光ガラス線量計(GD-302M:千代田テクノル社製),腹部RANDO Phantom(The Phantom Laboratory 社)を使用し腹部断面の吸収線量を取得した.検討項目としては,面内線量分布,皮膚・膀胱・直腸の吸収線量の比較について評価を行った.</p><p>【結果】面内線量分布の比較では,120 kV と比較してSn100 kV 及び100/Sn150 kV では面内線量分布が均一化された.皮膚吸収線量については120 kV と比較して80 kV で有意に高くなり,Sn100 kV,100/Sn150 kV で有意に低くなる傾向を示した.膀胱の吸収線量は, SD20,23 HU では120 kV と比較してSn100 kV ,100/Sn150 kV で有意に低くなる傾向を示し,SD25 HU では120 kV と100/Sn150 kV に有意な差は認めなかった.直腸の吸収線量では,SD 値20,23 HU で120 kV と比較してSn100 kV ,100/Sn150 kV が有意に低くなった.</p><p>【結語】尿管結石の検出のための低線量CT 検査において,Tin filter を付加した100 kV 撮影とDE 撮影は線量分布が均一化され,組織吸収線量の低下が認められた.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390862389974285440
  • DOI
    10.34487/jsct.12.1_6
  • ISSN
    24342750
    24342769
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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