国内3都市における下水サーベイランスを用いた新型コロナウイルス感染症流行把握の有用性と流行早期検知指標の検討

  • 鍜治 桃子
    金沢大学 大学院自然科学研究科 環境デザイン学専攻 石川工業高等専門学校 技術教育支援センター
  • 江崎 聡
    株式会社クボタ 次世代研究第三部
  • 岡崎 亮太郎
    株式会社クボタ 次世代研究第三部
  • 山崎 智美
    株式会社環境総合リサーチ 分析ソリューション部
  • 荒木 唯
    金沢大学 地球社会基盤学系
  • 原 宏江
    金沢大学 地球社会基盤学系
  • 端 昭彦
    富山県立大学 工学部 環境・社会基盤工学科
  • 本多 了
    金沢大学 地球社会基盤学系

書誌事項

タイトル別名
  • Feasibility of wastewater-based epidemiology on COVID-19 in 3 cities of Japan and development of an early warning indicator of disease outbreak

抄録

<p> 本研究では,下水サーベイランスによる新型コロナウイルス感染症流行把握の有用性を検証することを目的として,国内3都市において下水中の新型コロナウイルス遺伝子濃度のモニタリングを行い,各都市の新規感染者報告数の相関関係を検証した.その結果,第7波では小松市・太田市・船橋市の3都市すべてにおいて,下水中ウイルス濃度およびウイルス負荷量と,採水日直後の新規感染者報告数との間に有意な相関が見られ,下水ウイルス指標が市内の感染者の先行指標として有用なことが示された.また,ウイルス濃度に下水流量を乗じたウイルス負荷量についても,高い相関を得られた.相関が低かった太田市の第6波においては,スポーツイベント開催日に下水ウイルス濃度の急増がみられたことから,下水サーベイランスがイベント等による市外からの感染者の来訪を把握できることが示唆された.さらに,早期流行検知指標として,下水ウイルス負荷量(W)と医療サーベイランスによる新規感染者報告数(C)の比であるW/C比を用いることで,採水日直後の新規感染者報告数の増加確率のほか,医療サーベイランスによる流行把握の信頼性検証や地域外からの感染者の流入を把握できる可能性が示唆された.</p>

収録刊行物

参考文献 (13)*注記

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