新型コロナウイルス感染症流行時の感染予防行動に関わる心的プロセスの検討

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  • Psychological Process of Preventive Behavior under COVID-19 Pandemic

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抄録

新型コロナウイルス感染症の拡大により,人々は大きな脅威に直面した。そのような困難な状況の中で人々は,感染リスクを低めるためにウイルスからの回避行動をとった。感染症流行時の回避行動は未知のウイルスから身を守るために必要であるものの,中には過度に他者を忌避・回避するなど不合理な感染予防行動傾向もみられた。本研究では,感染症流行時の認知,感情,行動に注目し,感染予防行動に関わる心的プロセスについて検討することとした。大学生180 名を対象に質問紙調査を行った。調査内容は,COVID-19 流行時の認知,感情,行動についてであった。COVID-19 流行時の行動について因子分析を行った結果,「合理的な感染予防行動」と「不合理な感染予防行動傾向」の2 因子が抽出された。次に,それらについてクラスタ分析を行った結果,適応行動群,過剰行動群,行動化低群の3群が見出された。その後,3 群の不安・嫌悪感情の程度を比較したところ,過剰行動群,適応行動群,行動化低群の順に高かった。以上のことから,不安感情は状況に適応し,健康を維持するために重要な役割を持つ感情であると言える。

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