有明海湾奥部の泥質干潟域におけるアゲマキの二次生産量の推定

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タイトル別名
  • Estimation of secondary production by razor clam, <i>Sinonovacula constricta</i>, in muddy tidal flat inner part of Ariake Bay, Kyushu Japan

抄録

<p>アゲマキは,1980年代まで有明海湾奥部の泥干潟で重要な水産資源であったが,1990年代に激減した。佐賀県では1997年から放流によって母貝を増やし,再生産サイクルの復活による資源回復に取り組んでいる。放流した稚貝は,順調に成長することから,高い生物生産力があると推定された。そこで,本研究では,有明海湾奥部の4つの地先で放流後の生残と成長を調査した。また,この結果から二次生産量を推定し,潮高(地盤高)との関係を考察した。 調査の結果,生物量は最大で4,968 gWW/m2 に達した。二次生産量を推定したところ,1,456~4,127 gWW/m2/yr と高く,同じ有明海内のアサリより多い値であった。また,二次生産量は地盤高が低いほど多くなる負の相関関係がみられた。資源の回復,漁獲の再開のためには,本調査で得られた地先の地盤高別二次生産量を考慮し,生物生産力を最大限発揮できるような取組を進める必要がある。</p>

収録刊行物

  • 水産増殖

    水産増殖 71 (1), 23-30, 2023-04-20

    日本水産増殖学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390862478333134080
  • DOI
    10.11233/aquaculturesci.71.23
  • ISSN
    21850194
    03714217
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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