当科における上咽頭癌の予後因子についての検討

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  • Prognostic factors of nasopharyngeal cancer:An examination of 45 cases in Kyushu University Hospital

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抄録

<p>上咽頭癌は、ほかの頭頸部癌とは異なる側面を持つことから、予後因子も通常の頭頸部扁平上皮癌とは異なる。2018 年に TNM 分類が改訂され、上咽頭癌も変更されたため、今回われわれは、新 TNM 分類を用いて、当科で加療を行った上咽頭癌症例について予後の検討を行った。対象は、2010 年 1 月から 2020 年 1 月に九州大学病院耳鼻咽喉・頭頸部外科で一次療法を施行した上咽頭癌 45 例である。男性 31 例、女性 14 例、年齢は 12 − 88 歳、中央値 59 歳であった。これらのうち、上咽頭扁平上皮癌であった 40 例における 5 年全生存率(以下 OS)、無増悪生存率(PFS)、予後関連因子などについて後方視的に解析を行った。その結果、5 年 OS は 75.5%、5 年 PFS は 64.3%であった。予後関連因子として、Stage 別や組織型、Epstein-Barr Virus 陽性か否かによる有意差は認められなかった。また、上咽頭癌治療の軸となるシスプラチン併用化学放射線療法については、シスプラチンの至適投与量についてさらなる検討が必要と考えられた。</p>

収録刊行物

  • 耳鼻と臨床

    耳鼻と臨床 69 (2), 75-81, 2023-03-20

    耳鼻と臨床会

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